リウマチのお話

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関節リウマチを正しく理解しましょう。

 

ここでは私の専門である関節リウマチについて以下の5項目について説明していきたいと思います。

  1. リウマチの種類
  2. 関節リウマチの発病原因
  3. 関節リウマチのタイプ
  4. 関節リウマチの治療法
  5. 関節リウマチとの付き合い方とまとめ

少し難しい部分もありますが、関節リウマチを理解することでよりよい治療につながりますので、ぜひ読み進めてみてください。

ひと言で「リウマチ」といっても必ずしも関節リウマチのことだけを指していないことがあります。広い意味での「リウマチ」は下記の4種類のリウマチ性疾患のことを指す場合があるのです。

リウマチ性疾患

  • 変性による関節症
     変形性関節症など
  • 代謝性疾患
     痛風性関節炎など
  • 軟部組織の炎症
     腱鞘炎、筋肉痛など
  • 膠原病、自己免疫疾患
     関節リウマチ、シェーグレン症候群など


このように、単に「リウマチ」と言ってもたくさんの疾患が含まれるため患者さんも混乱される方が少なくありません。したがって私は混乱を避けるためあえて「関節リウマチ」だけを「リウマチ」と言っています。

関節リウマチの発病原因

関節リウマチの病因関節リウマチの発病原因はひとつではありません。
その背景にあるのは免疫異常といって抵抗力の異常です。
そこへ種々の誘因、例えばウイルスなどの感染、環境の問題、性ホルモン、ストレス、遺伝的素因などが加わって関節リウマチが発症すると考えられています。
しかしなぜ免疫異常が起こるのかはまだ完全には解明されていません。

3.関節リウマチのタイプ

関節リウマチのタイプは大きく分けて三つあります。

このうちあまり進行しないタイプが60%を占めています。

4.関節リウマチの治療法

関節リウマチ治療の基本的アプローチは、まず「痛みをとる」 次に「病気の進行を抑える」 そして「機能障害を回復させる」の3本柱で成り立っています。

関節リウマチ治療の基本的アプローチ

  • 痛みをとる
    消炎鎮痛剤の使用、物理療法の施行
  • 病気の進行を抑える
    発症初期から抗リウマチ剤を使用する
    適応を厳選して生物学的製剤を使用する
  • 機能障害の回復
    リハビリテーションの施行
    関節機能再建手術の施行

 

I 基礎療法

関節リウマチの治療法の中で最も重要なもので、他の病気にも当てはまるものです。簡単に言えば日常生活上の留意点といえます。

基礎療法

 

II 薬物療法

関節リウマチに使用する薬物には、大きく分けて4つあります。

薬物療法

非ステロイド性消炎鎮痛剤
(NSAID)
特徴

・痛みと炎症を抑える作用がある
・炎症の進行を止めたり骨の破壊を防止することはできない
・NSAIDを長期間服用する場合、注意すべき副作用として胃腸障害、特に胃・十二指腸潰瘍(NSAID潰瘍)がある

 
商品名 剤形
ボルタレンSR 内服薬
ロキソニン 内服薬
オステラック 内服薬
モーラス30 貼付薬
ボルタレンテープ 貼付薬
ボルタレンサポ 坐薬
ボルタレンゲル 塗布薬

消炎鎮痛剤はあくまで痛み止めであり対症療法の一つなので消炎鎮痛剤のみでは関節リウマチの治療にはなりません。
抗リウマチ剤
(DMARD)
特徴

・炎症の原因である免疫異常に働いて病気の進行を抑える目的を持つ
・薬効発現が遅い
・同じ薬でも効果の出る例と出ない例がある
・治療経過の中で効果減弱例が出現する
・有害事象(副作用)の出現頻度は少なくない

一般名 商品名 用法・用量
金チオリンゴ酸ナトリウム ジオゾール 1回10〜15mgを筋注
オーラノフィン リドーラ 1日6mgを2回に分服
D-ペニシラミン メタルカプターゼ 1日100〜300mgを内服
ブシラミン リマチル 1日100〜300mgを内服
サラゾスルファピリジン アザルフィジンEN 1日1000mgを2回に分服
アクタリット モーバー/オークル 1日300mgを3回に分服
メトトレキサート リウマトレックス 1週4〜8mgを2〜3回に分服
ミゾリビン ブレディニン 1日150mgを3回に分服
副腎皮質ホルモン剤
(ステロイド)
特徴
少量で炎症を強力に抑えるが、関節リウマチの根本的治療薬ではない
有害事象(副作用)
満月様顔貌、易感染、長期間服用による骨粗鬆症 など
生物学的製剤

副作用の中でも感染症には特に注意が必要です。場合によっては死に至ることもあります。この治療法は高価ですので患者さんの経済状況も考慮して慎重に使用する必要があります。

抗TNF療法
  一般名 商品名 用法
使用薬 インフリキシマブ レミケード 静脈内注射
エタネルセプト エンブレル 皮下注射
副作用
投与時反応 注射部位の発赤、腫脹、かゆみ
投与中や終了後の頭痛、悪心、めまい など
感染症 軽症ではかぜ症状
重症では肺炎、結核、敗血症、日和見感染症 など

上記以外にヒュミラ、アクテムラ(商品名)が国内でも使用できるようになりました。

 

III 手術治療

私は、保存的治療(手術以外の治療)が原則と考えていますが、関節や脊椎などが破壊されて機能障害が顕著な場合、患者さんが希望すれば手術治療も考慮します。

手術治療

 

IV リハビリテーション

リハビリは、身体機能の低下を防ぐことで入浴・食事・排泄など日常的なことから仕事や家事などにかかわる運動機能を保ち、生活の質(QOL)の改善を得ることを目的としています。

ポイント
  1. 毎日根気よく続ける
  2. 過度にならないようにする
  3. 自主的に行う

リハビリの中で特に重要である運動療法の代表としてリウマチ体操があります。

運動療法

エクササイズ(リウマチ体操)について
  • 目的
    関節がこわばることを予防する
  • 効果
    末梢の血液の流れをよくする
    痛みをやわらげ筋肉のこわばりをとる
    適度にからだを動かすことでストレスを減少させる
    全身の運動が免疫力を高める

 

5.関節リウマチとの付き合い方とまとめ

関節リウマチとの付き合い方

・日常生活は?

リウマチは30〜50才代の女性に発病するケースが多く、日常生活や社会生活に支障をきたすことがある。しかし、治療によりリウマチがコントロールされれば発症以前の日常生活を送ることが可能。

・仕事は?

内容を調整することで仕事を続けることは可能。

・妊娠・出産は?

基本的には可能。妊娠・出産を希望する場合は、妊娠する前にあらかじめ主治医と相談して妊娠・出産に配慮した治療計画に基づいて治療を受けることが重要。


当院では、患者さんひとりひとりの症状にあった治療計画を立てていけるよう充分にご相談しています。関節リウマチは薬物治療の進歩で「治る」時代に入りました。ですから、悲観的になることなく前向きに生活を送っていただきたいと思います。この病気は様々な意味で長いお付き合いをしていく必要があります。だからこそリウマチ専門医として可能な限り最新の治療を提供するように努力をします。どうぞお気軽にご相談ください。
無理のない継続可能な治療計画を一緒に考えていきましょう。

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